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平成30年5月
    住職のつぶやき

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           平成30年5月
     住職のつぶやき
                               花井山 大洞院 三十一世住職 櫻井大文
 曹洞宗のオリジナル経典「修証義」は編纂・流布されて128年が経ちました。その内容は曹洞宗開祖道元禅師の教えを檀信徒に伝え広めるものです。

 生(しょう)を明らめ死(し)を明(あき)らむるは仏家(ぶっけ)一大事(いちだいじ)の因縁(いんねん)なり、生死(しょうじ)の中(なか)に仏(ほとけ)あれば生死(しょうじ)なし、但(ただし)生死(しょうじ)即ち(すなわち)涅槃(ねはん)と心得(こころえ)て、生死(しょうじ)として厭(いと)うべきもなく、涅槃(ねはん)として欣(ねが)うべきもなし、是時(このとき)初(はじ)めて生死(しょうじ)を離(はな)るる分(ぶん)あり、唯(ただ)一大事(いちだいじ)因縁(いんねん)を究尽(ぐうじん)すべし。(修証義第1章総序第1節)

 私なりに解釈すると、「今自分が生きている意味が必ずあります。そのことを理解していますか?天命を全うし死を迎える覚悟と理解は出来ていますか?曹洞宗の檀信徒にとって一生に一度の大切な修行のできる御縁です。」となります。
 生と死の中に仏様の教えがあります。ただ生死を受けてはいけません。生死は静寂なる悟りの場と心得て、生死から逃げてはいけません。かといって、涅槃寂静に入れると喜んでばかりいてはいけません。その時がきたならば、初めて生と死へのこだわりを捨てて「正しく生きてきた、迷うことなく死を迎えることができた」と得心でき、その人にとって最も善き人生になります。ただただとても大切な御縁、一期一会を体感しながら生きていきましょう。
 私たちは、天文学的確率に近い奇跡で、お父さんお母さんの命を受けてこの世に誕生しました。その命は皆が喜び幸せになり、成長し様々な縁を頂きます。私たちは老いていくまでに多くの欲物を貯めてしまいます。命の終わりはいつ来るのか分からないのだから今をしっかり生きていかなくてはなりません。年老いたならエンディングノートなどに「命の終わりが来た時はこうして下さい」と書き記すことも大切ですね。
 今は、旅立った「お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、妹弟、お釈迦さまの世界で幸せに」と切に思い、ご供養を続けて頂きたいです。


                                         大慈大文  九拝