平成27年
            新年を迎えるにあたって 
                              花井山 大洞院 三十一世住職 櫻井大文
 新年あけましておめでとうございます。

 昨年は境内東二墓地の開発、応援隊による月一回水曜日の本堂清掃、八月の地蔵盆「ちびっ子おたのしみ会」、永平寺・総持寺祖院バス旅行、長寿祝いの会、その他様々な行事を関係者・参加者の皆様と共にできたこと恐悦至極でございます。

 一日示ニ云ク、古人云ク、「聞くべし、見るべし。」ト。また云ク、「経ずんば見るべし、見ずんばきくべし。」ト。言は、きかんよりは見るべし。見んよりは経べし。いまだ経ずんば見るべし。いまだみずんば聞クべしとなり。(正法眼蔵随聞記)

 これは道元さまの説法です。「耳で聞いたら、実際に目で見なさい。目で見たら、実際にやってみなさい。まだ自分でやったことがないのならば、せめて見ておきなさい。まだ見ていないならば、せめて聞いておきなさい。」と。

 大洞院では、皆さんと一緒に何事も、まず経験をすることを大切にしています。少し昔の法事には「子供は騒いで失礼になるから同席させない」と言う人もいました。しかし、今は小さい子供達も出席し、大人の方々の供養する姿を見せるようにお願いしています。次世代のこども達が「亡くなった方やご先祖さまを手厚く供養するものなんだなあ」と学んでいるなと感じています。これはご親族の方々の仏道教育実践の場なのだと思います。

 道元さまも、「道心無き者でも見る事、聞く事、実行体験する事が発心開眼の道である」と言っています。私達僧侶も昔のように難しい話をするのではなく、なるべく広い世代に仏道を知っていただけるよう、興味をもっていただけるよう努力をしていますので、皆様には根気よく法話を聞いていただきたく思います。

 お寺離れにも危惧しています。残していく家族に迷惑かけたくないから葬儀は簡素にしてほしいと言う人が増えていますが、大洞院のお檀家様においては出席者と共にお経を唱えて、しっかりと亡き方を供養し葬送しています。

 お寺とお付き合いしていく事、供養する事は、ご親族共々数少ない仏道実践の場所だと考えて頂きたいと思います。ご供養事はわからない事が多いと思いますがお寺に来ていただきお話していただければお教え出来ます。まずはきっかけとして、是非とも各種定例会やイベント行事に次世代の方々共に参加していただきたいと思っています。

 本年も学道弁道に精進していきますので檀家の皆様、ご協力のほどお願い致します。

               大慈大文 九拝


平成27年1月9日 柏市民新聞記載記事