大洞院について
 大洞院は、檀家の皆様の先祖・故人の供養をする菩提寺です。また、地域に開かれたお寺として、本堂を用いたコンサート(寺コン)、ギャラリーを開放しての作品展、歴史研究会、小仏彫刻教室、書道教室、華道教室などの文化活動も活発に行っています。
 先代の30世大徹誠治大和尚は、「お寺は、何も用事が無いのに、ただ来てボーとしている所にしたい。」と言い続けていました。大洞院は、檀家の皆様の菩提寺として、地域に開かれたお寺として活動を続けていきます。


大洞院の歴史

1.古代
 大洞院のある花野井とその周辺には、旧石器時代から縄文、弥生古墳時代などの多くの遺跡があり、人々が居住するのに適した土地であったことがうかがえます。

「寺」墨書土器
 大洞院のあった尾井戸遺跡からは、祭祀用の手捏ね土器と剣型の滑石模造品が出土しており、古墳時代後期(6世紀)に、この場所で祭祀が行われていたとみられます。
 奈良・平安時代の住居跡からは、「寺」と「◎」の記された墨書土器が発見されています。「◎」は天台宗などの密教的な祭祀に用いられた呪符と考えられています。古墳時代の祭祀を司った場所に、掘立柱建築・草葺の小堂宇で、死者へ祈りをし、天台宗の僧侶が住着いて寺院になっていったものと考えられます。

2.中世

板碑
 大洞院のあった場所からは、鎌倉・室町時代(14世紀)の武蔵型板碑が多数出土しています。板碑は、石の板に彫った卒塔婆状の供養塔で、その彫刻文字から、この時代の大洞院は天台宗寺院であったと思われます。
 大洞院境内にあるイチョウの大木は、樹齢450年以上と言われており、中世から大洞院の歴史を眺めています。

3.近世以降
  大洞院の記録としては、江戸中期に作成された過去帳、本堂造営時の寄進者を記した芳名板、弁天堂の棟板、阿弥陀三尊を納める宮殿造営の奉加帳などが残っています。金石文としては、山門の六地蔵、戒壇石、弁天堂の鰐口、筆子碑などに、寄進者・年代などの記録があります。

筆子碑
 大洞院が曹洞宗寺院となったのは、慶長元年(1596年)とされています。

4.大洞院の現状と今後
 明治から昭和30年代まで、大洞院のある花野井の住居数・人口などは緩やかに増加してきました。その後、松葉町や東急ビレッジの開発など都市化の波が花野井周辺にまで至り、大洞院にもその影響が及んできました。
 先代の30世大徹誠治大和尚は、檀家の急増に対応した新本堂の建設を発願し、平成2年に竣工しました。本堂新築記念に開催したコンサートは「寺コン」として現在も継続的に開催されています。

 大洞院は、現在の大慈大文住職で31世となります。大洞院は、地域に開かれた寺院として、坐禅会、写経教室などを行っています。大洞院ギャラリーは地域の作家・芸術家に発表の場を提供し、作品展を継続的に開催しています。「寺コン」は、檀家の音楽家に企画をお願いして、地域の演奏者によるコンサートを開催しています。

 大洞院は、檀家の皆様の先祖・故人の供養をする菩提寺として、春・秋彼岸法要、新年法要、盆法要などを、檀家の皆様に参加いただいて執り行っています。
 檀家の皆様の懇親と人の輪を広げる活動の一環として、配偶者をなくされた方を対象に、住職と一緒に食事を楽しむ「方丈亭」を毎月開催するとともに、喜寿・米寿の檀家の皆様を祝う「長寿の会」を7月7日に開催するなどの活動を行っています。大洞院は、これからも未来に向けて活動を広げていきます。


歴史年表
 
 縄文時代

 538年

 741年 天平13年

 9世紀

 1341年 暦応4年

 1596年 慶長元年

 1702年 元禄15年

 1751年 宝暦元年

 1768年 明和5年

 1801年 享和元年

 1806年 文化3年

 1809年 文化6年

 1811年 文化8年

 1814年 文化11年

 1816年 文化13年

 1819年 文政2年

 1831年 天保2年

 1839年 天保10年

 1861年 文久元年

 1864年 元治元年

 1865年 慶應元年

 1904年 明治37年

 1946年 昭和21年

 1981年 昭和56年

 1984年 昭和59年

 1990年 平成2年

 1997年 平成9年

 1998年 平成10年

 2005年 平成17年

 2006年 平成18年

 2012年 平成24年
 花野井に尾井戸遺跡、寺前遺跡などの住居跡あり

 仏教伝来

 市川に下総国分寺建立

 尾井戸遺跡の墨書土器

 大洞院に阿弥陀一尊の板碑

 曹洞宗として鷹山舜岳大和尚が開山

 元禄郷帳 花野井村:99戸576人228石

 火災で焼失した本堂を再建

 六地蔵塔を建立

 本尊(阿弥陀三尊)の宮殿を建立

 大洞院に村の火災被災者を収容

 花野井村 128戸517人 大洞院の施餓鬼は7月21日

 小林一茶 花野井村を通る

 戒壇石を建立

 念仏塔を建立

 十九夜塔を建立

 台灯籠1対(銅製)を、光明講が寄進(本堂で使用中)

 鰐口が奉納される(弁天堂で使用中)

 20世無学弘道大和尚の塾生30人が筆子碑を建立

 弁天堂再建

 四天王像建立(高田住大仏師・増田又右衛門作)

 大洞院西側敷地に田中尋常第一小学校校舎が完成

 谷内流芳方丈が29世住職に就任 11月17日に入山式

 大洞院の大イチョウが柏市指定保護樹木(指定番号290)になる

 木村誠治方丈が30世住職に就任

 本堂落慶 寺コンを始める

 ペット供養を始める

 弁天堂落慶

 30世大徹誠治住職入山20周年記念壁画「遊戯」が完成

 櫻井大文方丈が31世住職に就任

 大洞院ギャラリーが完成